皆様こんにちは。
本日ご紹介するタイ労働判例は
管理職の職務不履行を理由に会社に重大な損害を与えたとして解雇補償金なしでの解雇は可能か?
をお送り致します。
(文字数:1,342 文字)
タイ語の労働裁判の判例を日本語に翻訳し、かつ日本語での解説を入れています。
概要
本件は、ゴルフ場運営会社に勤務していた管理職の労働者について、
その業務上の不備が「重大な事由」に当たるかが争われた事案です。
使用者は、部下の管理・監督不足や機械管理の不備により損害が生じたとして、
解雇補償金の支払い義務はないと主張しました。
一方、労働者側は、行為は単なる職務不履行にとどまり、
重大な違反や故意による損害行為には当たらないと主張しました。
管理職の責任の範囲と、解雇補償金の不支給が可能かどうかが
判断の中心となりました。
判旨
原告:会社X(ゴルフ場の運営および飲食物販売事業)
被告:労働者A(施設保守管理部門のマネージャー)
- 民商法典第583条
雇用された者は、自己の職務を正確かつ誠実に遂行しなければならないと定めている。 - 労働者保護法 第119条
労働者が使用者に対し「重大な損害を故意に与えた場合」には、解雇補償金を支払う必要がないと規定している。
これらの条文は、労働者の行為が解雇補償金の不支給の対象となる
「重大な事由」に該当するかを判断する基準となる。
会社Xは、ゴルフ場の運営および飲食物販売事業を営み、
労働者Aを施設保守管理部門のマネージャーとして雇用していた。
労働者Aの最終月額賃金は45,000バーツであり、管理職として部下を指揮・監督する立場にあった。
労働者Aは、部下に対する管理・監督を十分に行わなかったため、
機械の点検および保守が適切に実施されず、潤滑油不足によりオイルパンが破損し、
会社Xに修理費用の負担が生じた。
これらの行為は、
民商法典第583条に定める職務を誠実に遂行すべき義務に違反し、就業規則違反に該当する。

