皆様こんにちは。
本日ご紹介するタイ労働判例は
賃金減額の同意と住宅手当は賃金に含まれるのか?
をお送り致します。
(文字数:2,944 文字)
タイ語の労働裁判の判例を日本語に翻訳し、かつ日本語での解説を入れています。
概要
2020年5月から9月にかけて、使用者は労働者の賃金を減額した。
これに対し、労働者は一部の期間について賃金減額への同意を示していたほか、
その後の期間についても特段の異議や抗議を行わず、減額後の賃金を受領していた。
本件では、こうした労働者の対応が、賃金減額に関する合意の有無や、
減額された賃金を後日請求できるか否かにどのような影響を及ぼすかが争点となった。
また、使用者が労働者に対して支給していた「住宅賃借料」についても、
その性質が問題とされた。
当該支給が、労務提供の対価としての賃金に該当するのか、
それとも居住費用の補助としての福利厚生に当たるのか、
さらに解雇補償金の算定に含める必要があるか否かが、
本件の重要な検討事項となっている。
判旨
原告:労働者A(営業アシスタントマネージャー)
被告:会社X
本件において、原告である労働者Aは、次のとおり主張して会社Xを提訴した。
労働者Aは、2015年2月7日、被告である会社Xに雇用された。
最終的な職位は営業アシスタントマネージャーであり、
賃金の内訳は、基本給が月額52,574バーツ、役職手当が月額5,500バーツ、
住宅賃借料が月額2,500バーツで、合計月額60,574バーツであった。
その後、2020年12月15日、会社Xは、
労働者Aの業務遂行が職務の性質および責任の程度に見合う水準に達していないとして、労働者Aを解雇した。
しかし、労働者Aは、このような事実は存在せず、
当該解雇は正当な理由のない不当解雇であると主張した。
また、会社Xは、解雇に際して支払うべき解雇補償金、
解雇予告手当および年次休暇の未消化分賃金の算定にあたり、
役職手当および住宅賃借料を含めなかったため、
法令に基づく十分な金額を支払っていないと労働者Aは主張した。

