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【タイ労働裁判判例】(No. 76)退職の強要は解雇に当たるのか?-解雇補償金・事前通知に代わる解雇補償金の判断基準(特別控訴専門裁判所判決 第2356/2566号)

皆様こんにちは。     

本日ご紹介するタイ労働判例は     

退職の強要は解雇に当たるのか?-解雇補償金・事前通知に代わる解雇補償金の判断基準

をお送り致します。     

(文字数:1,828文字)   

タイ語の労働裁判の判例を日本語に翻訳し、かつ日本語での解説を入れています。

概要

本件は、会社の取締役が労働者に対し「今後業務に就かせない」と告げ、

退職届の提出を求めたことが、法律上の解雇に当たるのかが争われた事案です。

労働者は退職を拒否しましたが、

その後、会社は業務用車両や会社資産の返却を命じ、出社も認めませんでした。

形式上は解雇通知書が交付されていないものの、実質的に解雇といえるのか、

また解雇補償金や事前通知に代わる解雇補償金の支払義務があるのかが問題となりました。

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判旨

原告:労働者A
被告:会社X

関連条文

労働者保護法第5条
「使用者」の定義を定める規定であり、会社の取締役なども、状況により使用者に該当し得る。

労働者保護法第118条第2項
使用者が労働者を解雇した場合の解雇補償金の支払義務を定める規定である。

労働者保護法第119条
労働者に重大な違反行為がある場合など、解雇補償金を支払わなくてよい事由を定める。

労働者保護法第119条第2項
使用者は、補償金不支給の理由を解雇時に告げなければならず、
後日追加主張することはできないと定める。

民商法典第583条
雇用契約における労働者の誠実義務を定める規定である。

労働裁判所設置及び労働訴訟法第54条第1項
証拠評価に関する事実認定については控訴審で争えない旨を定める。

労働者Aは、当初会社Xの関連会社Yで勤務していたが、

その後会社Xの営業部長として月額30万バーツの賃金で就労していた。

2021年5月13日、会社Xの取締役は労働者Aに対し、今

後業務に就かせる意思はなく、雇用契約も更新しないため退職届を提出するよう口頭で求めた。

労働者Aはこれを拒否した。

翌日、会社Xは人事担当者および弁護士を通じて退職を促し、貸与していた車両の返還を命じた。

さらに、会社への立ち入りを拒否し、業務および書類の引継ぎ、会社資産の返却を命じた。

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