皆様こんにちは。
本日ご紹介するタイ労働判例は
「SNS投稿で解雇は妥当?-名誉毀損をめぐる職場トラブル裁判」
をお送り致します。
(文字数:2,098 文字)
概要
本件は、会社Xに勤務していた労働者Aが、自身のFacebookアカウントを通じて、
他人の写真とともに侮辱的な文言を投稿したことを理由に懲戒解雇された事案です。
労働者Aは、解雇補償金や損害賠償、解雇予告手当などの支払いを求めて訴訟を提起しましたが、
会社Xはこれに対して、解雇は重大な規則違反による正当なものであり、
解雇補償金の支払い義務はないと反論しました。
投稿内容や投稿相手との関係、就業規則との適合性が争点となりました。
判旨
原告:労働者A
被告:会社X
- 刑法典 第326条(名誉毀損)・第393条(侮辱)
- 民商法典 第583条(雇用契約の解除)
- 労働保護法 第119条第1項(1)(2)(4)
- 労働訴訟法 第49条・第54条
労働者Aは、2006年3月13日より会社Mに勤務していたが、2014年2月3日付で会社Xに転籍した。
賃金は月額20,544バーツであり、会社Xとは毎月7日および22日に給与を支払う旨の合意していた。
2015年11月10日、会社Xは労働者Aに対し懲戒解雇処分を下し、11月9日までの賃金を支払った。
解雇の理由は、労働者AがFacebookを通じて、会社Xおよび関連会社の従業員に向けて、
S氏の写真とともに侮辱的かつ攻撃的な文言を投稿した行為にある。
該当の投稿には、S氏に対し
「女々しい野郎、(卑猥な言葉)、駐車スペースを奪って俺は黙っていた、呆れてるぞ、この野郎」
といった内容が含まれていた。
会社Xの懲戒解雇に対し、労働者Aは、賞与、解雇予告手当、
不当解雇による損害賠償、解雇補償金などの支払いを求めて会社Xを提訴した。