皆様こんにちは。
本日ご紹介するタイ労働判例は
「派遣労働者(サブコン)の権利-福利厚生の差異は違法か否か?」
をお送り致します。
(文字数:1,630文字)
タイ語の労働裁判の判例を日本語に翻訳し、かつ日本語での解説を入れています。
論点
1.労働者保護法11/1条の法的解釈
2.派遣労働者(通称:サブコン)と正社員の福利厚生の差異は違法か否か
訴訟の概要
原告:派遣労働者83名
被告:日系企業A社、派遣会社X社、Y社、Z社
原告は、派遣労働者83名。
被告は全部で4社、被告1は派遣労働者受入先(日系企業A社)、
被告2、3、4は、労働者派遣元である3社(派遣会社X、Y、Z)。
派遣会社X、Y、Z(被告2、3、4)は、日系企業A(被告1)に対し、労働者83名を派遣した。
業務内容は、オートバイのクラッチ製造で、
被告1(日系企業A)の直接の被雇用者(以下、正社員)と同一形態の業務であった。
被告1(日系企業A)は、原告83名に対し、被告1(日系企業A)の正社員と同一の福利厚生を付与しなかった。
原告である派遣労働者83名は、
被告1(日系企業A)の正社員と同等の生活手当を支給されなかった。
被告2、3、4(派遣会社X、Y、Z)は、原告83名に対し食事及び送迎バスを手配していた。
しかし、被告1(日系企業A)は自社の正社員に対し食事及び送迎バスを手配した上に、
食事手当及び交通費を支給していた。
被告3(派遣会社Y)及び被告4(派遣会社Z)は、賞与を支給しなかった。
被告2(派遣会社X)は、自身の被雇用者(派遣社員)である原告に対し賞与を支給したが、
被告1(日系企業A)が正社員に対して支給している額よりも少なかった。
福利厚生の種類 | A社 | 派遣会社X | 派遣会社Y | 派遣会社Z |
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生活手当 | 〇 | △(支給あり。しかしA社よりも劣る) | ||
食事手当 | 〇 | × | × | × |
食事 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
バスでの送迎 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
交通費 | 〇 | × | × | × |
賞与 | 〇 | △ (支給あり。しかしA社よりも劣る) |
× | × |