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【タイ労働裁判判例】(No. 35)派遣労働者(サブコン)の権利-福利厚生の差異は違法か否か?(最高裁判所判決 第22326-22404/2555)

皆様こんにちは。

本日ご紹介するタイ労働判例は

「派遣労働者(サブコン)の権利-福利厚生の差異は違法か否か?」

をお送り致します。

(文字数:1,630文字)

タイ語の労働裁判の判例を日本語に翻訳し、かつ日本語での解説を入れています。

論点

1.労働者保護法11/1条の法的解釈

2.派遣労働者(通称:サブコン)と正社員の福利厚生の差異は違法か否か

訴訟の概要

原告:派遣労働者83名

被告:日系企業A社、派遣会社X社、Y社、Z社

原告は、派遣労働者83名。

被告は全部で4社、被告1は派遣労働者受入先(日系企業A社)、

被告2、3、4は、労働者派遣元である3社(派遣会社X、Y、Z)。

派遣会社X、Y、Z(被告2、3、4)は、日系企業A(被告1)に対し、労働者83名を派遣した。

業務内容は、オートバイのクラッチ製造で、

被告1(日系企業A)の直接の被雇用者(以下、正社員)と同一形態の業務であった。

被告1(日系企業A)は、原告83名に対し、被告1(日系企業A)の正社員と同一の福利厚生を付与しなかった。

原告である派遣労働者83名は、

被告1(日系企業A)の正社員と同等の生活手当を支給されなかった。

被告2、3、4(派遣会社X、Y、Z)は、原告83名に対し食事及び送迎バスを手配していた。

しかし、被告1(日系企業A)は自社の正社員に対し食事及び送迎バスを手配した上に、

食事手当及び交通費を支給していた。

被告3(派遣会社Y)及び被告4(派遣会社Z)は、賞与を支給しなかった。

被告2(派遣会社X)は、自身の被雇用者(派遣社員)である原告に対し賞与を支給したが、

被告1(日系企業A)が正社員に対して支給している額よりも少なかった。

福利厚生の種類 A社 派遣会社X 派遣会社Y 派遣会社Z
生活手当 △(支給あり。しかしA社よりも劣る)
食事手当 × × ×
食事
バスでの送迎
交通費 × × ×
賞与
(支給あり。しかしA社よりも劣る)
× ×
福利厚生の比較表

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