皆様こんにちは。
本日ご紹介するタイ労働判例は
解雇補償金を支払うと不当解雇になるのか?~副業禁止違反による解雇が争われた裁判例
をお送り致します。
(文字数:2,363文字)
タイ語の労働裁判の判例を日本語に翻訳し、かつ日本語での解説を入れています。
概要
本件は、副社長として勤務していた労働者が、会社から組織再編による解雇通知を受けた後、
会社の許可を得ずに外部の有償プロジェクトへ関与していたことを理由に、改めて即時解雇された事案です。
労働者は、「会社から口頭で許可を得ていた」と主張し、
会社が退職金の支払いを免れるために不当に解雇したとして、
退職金や不当解雇による損害賠償を請求しました。
一方、会社は、雇用契約で禁止されている副業を無断で行い、
会社との信頼関係を著しく損ねたことから、解雇には正当な理由があると主張しました。
本件では、
- 副業禁止条項に違反した場合、解雇できるのか
- 退職金を受け取る権利がある場合でも、解雇は正当となるのか
- 副業禁止違反は、解雇を正当化するほど重大な違反だったのか
が主な争点となりました。
判旨
原告:労働者A
被告:会社Xおよび会社X代表取締役Y
【労働者保護法 第118条】
勤続年数に応じた法定解雇補償金(退職金)の支払いを定める規定。
【労働者保護法 第119条】
労働者に重大な規律違反や背信行為がある場合には、退職金を支払わずに解雇できることを定めている。
【労働訴訟法 第49条】
解雇が不当解雇に当たる場合、裁判所は復職または損害賠償を命じることができると定めている。
労働者Aは2018年から会社Xで勤務し、管理部門担当の副社長として財務管理など重要な業務を担当していた。
月額給与は20万バーツであった。
2020年8月、会社Xは組織再編を理由に労働者Aを解雇することを決定し、
2021年3月25日付で退職し、法定の解雇補償金を支払うことにも同意していた。
しかしその後、会社は、労働者Aが会社の事前の書面による許可を得ないまま、
外部機関の有償プロジェクトに参加していたことを把握した。
雇用契約には、副業禁止規定として
「会社の事前の書面による許可なく、他人のために労務を提供し、他の事業に関与してはならない」
と定められていた。

